4連投の球児力尽く 阪神、6年連続でV消滅

最後は守護神が力尽きた。阪神は九回、先発メッセンジャーが1死二塁のピンチを招き、あわてて藤川をマウンドに送ったが、藤村に直球を左中間に運ばれサヨナラ負け。打球が人工芝に落ちた瞬間、6年連続の「V逸」が決まった。

 藤川は今季初の4連投。最後に投じた直球は143キロで本来の球威ではなかった。それでも言い訳することなく、「いや、疲れは…。きょう自分が打たれたことが重要。1年間、全力でやってるんですけどね」と責任を背負い込んだ。

 「あそこは球児しかない。しようがない」と真弓監督。渡辺、榎田ら中継ぎ陣も疲労の色が濃く、マウンドに送り出せなかった。メッセンジャーを九回途中まで引っ張ったのも、延長戦を視野に、なるべく藤川を温存したかったのだろうが、その思惑は裏目に出た。

 今季も守護神につなぐ形を明確にできないまま「終戦」を迎えた真弓阪神クライマックスシリーズ進出に向け、指揮官は「一戦一戦、勝っていくしかない」と前夜と同じ言葉を強調したが、ぬぐいきれない徒労感が残った。(丸山和郎)