100歳男性がフルマラソン完走!ギネス申請へ

カナダのトロントで16日に行われたフルマラソンで100歳のインド系英国人男性のファウジャ・シンさんが8時間25分16秒で完走し、フルマラソンの最高齢世界記録の偉業を達成した。今後、ギネスブックへの登録を申請する。シンさんは89歳からマラソンを始め、今回が8回目の挑戦。スタミナ源はショウガ入りカレーと紅茶という。

 頭にターバンを巻いたシンさんは両手を挙げて声援に応えた。ゆっくりと、しかし、確実に歩を進めながらゴール。タイムは8時間25分16秒で、参加者最後の走者だったが、100歳の“偉業”に沿道の観客は拍手と歓声で出迎えた。

 胸まで伸びた立派な白ひげを蓄えた100歳は、ほほ笑んだ。「再婚したかのようにうれしいよ」

 シンさんは1911年4月1日、インドで生まれた。農家を営んだ後、1960年代に英国に移住した。初マラソンは89歳。今大会が8回目の挑戦だった。妻と子供はすでに亡くなっている。長生きの秘けつは、「ストレスフリーな生活を送ること」。スタミナ源は、ショウガ入りカレーと紅茶。「楽しい気持ちでいることが大切」という。

 03年には、5時間40分1秒で完走し、90歳以上の記録を塗り替えた。13日には、100メートル〜5000メートルの8種目の競技で100歳以上のランナーの最高記録をそれぞれ樹立。大会主催者は「ギネスブックに申請する」と明言した。12年ロンドン五輪聖火リレーへの参加を希望しているという。

 シンさんが参加した大会は「トロント・ウォーターマラソン」。今年で22回目を迎え、参加者は約2万6000人、約10万人の観客が詰めかけた。上位進出者はボストン・マラソン(4月)への出場権が獲得できるため、人気があるという。日本人では、70歳以上の参加者もいた。

 今回は、26歳の男性がマラソン中に亡くなる事故もあった。大会事務局によると、現地の気温は13度で天候は曇りだった。

 [世界のスゴイ100歳]
 ▼詩人 昨年ベストセラーとなった詩集「くじけないで」を出版したのは、今年100歳になった柴田トヨさん。9月に第2弾の「百歳」を出版し、合計の売り上げ部数は200万部突破。
 ▼現役医師 聖路加国際病院理事長の日野原重明さんは、今月4日に100歳に。現在も臨床医として現場に立ち、執筆や講演で国内外を飛び回る。
 ▼陸上選手 マスターズ陸上で活躍した、釜石市の下川原孝さんは104歳で100歳以上の円盤投げ、やり投げ、砲丸投げの世界記録を持っていた。東日本大震災で犠牲になった。
 ▼おばあちゃんパラグライダー 07年10月、英国のペギー・マカルパインさんは100歳の誕生日に、キプロスにある標高760メートルの山頂からパラグライダーで記念飛行。無事成功した。