ガンバ 万博に新本拠地 建設費確保、なお壁高く

サッカーJ1、G大阪の新スタジアム建設候補地が24日、ようやく大阪府吹田市万博記念公園内に決まった。初めて同公園内での計画が明るみに出てから約3年。G大阪の純粋な思いからスタートしたスタジアム建設は、地方自治体の首長や議員の力関係によって翻弄されてきた感がある。

 決着が長引いたのは、当時、日本サッカー協会が招致を進めていたワールドカップ(W杯)の開催都市への立候補を表明するなど、建設に並々ならぬ意欲を示していた前吹田市長の安易な発言を全幅に信頼したG大阪の甘さが主な原因だろう。いざ協議が進むと、土地賃借料(年間約2億2千万円)や大規模修繕費(年間7千万〜8千万円)を負担しないなどの条件を吹田市から突きつけられたG大阪は、自ら協議を凍結した経緯がある。

 井上哲也市長となって話し合いが再開したが、吹田市側は「お金を出したくないのが基本」(井上市長)と以前の条件を変えない姿勢を打ち出している。一方、G大阪は24日に井上市長に渡した報告書の中に「条件については別途協定書を締結する」との文言を盛り込み、金森喜久男社長も以前の条件をそのまま受け入れるのか、明言しなかった。

 また、約110億円とされる建設費も、スポンサーなどの企業を中心に80億円以上のメドは立ったもようだが、サポーターなどの寄付に頼る残りの部分は確保できるか不透明だ。

 紆余(うよ)曲折を経て元のさやに戻り、動き始めたG大阪の新スタジアム構想だが、まだ乗り越えなければならないハードルがある。(北川信行)