ジュニーニョ「川崎とともに成長できたのは幸せなこと」 (1/3) 神に導かれし者の、戦いの軌跡

2003年、“神様からの啓示”を受けたジュニーニョが来日し、スポーツ不毛の地とも言われた川崎市に本拠地を置く当時J2だった川崎フロンターレの一員となる。7357人を集めた湘南ベルマーレとの第2節(3月22日)のホーム開幕戦に続く、第4節(4月5日)の甲府戦の観客動員数はわずかに2438人。プロスポーツが根付かなかった川崎の厳しい現実との戦いをスタートさせた。

 当初は1年限りでブラジルに帰国するつもりが、気がつけばその契約期間は9年間にも及んだ。そんなジュニーニョがプレーした期間と、川崎が強豪クラブへと成長する期間とが、ぴったりと符合しているのは単なる偶然ではない。彼の得点力がチームに勝利をもたらし、川崎は強さを身につけてきたのである。そのジュニーニョが長きにわたる川崎での生活に終止符を打ち、3286人のサポーターに見送られてチームを離れることとなった。(インタビュアー:江藤高志 取材日:12月1日)