ダル、松坂超え41億円!レンジャーズ有力

 【ニューヨーク14日(日本時間15日)】米大リーグ機構は、ポスティングシステム(入札制度)による獲得可能選手として大リーグ全30球団に公示されていた日本ハムダルビッシュ有投手(25)への入札を締め切った。複数の球団が入札したとみられる。最高額は5年前に松坂大輔投手(31)を落札したレッドソックスの5111万ドル以上の5200万ドル(約40億6000万円)程度である可能性が高まった。米メディアは落札球団としてレンジャーズかブルージェイズが有力と報じた。

 ダルビッシュへの入札が終了。最高額は、松坂を落札したレッドソックスの5111万1111ドル11セントを上回っている可能性が高まった。

 「SKY HIGH」(空のように高い)と最高額をツイッター上で表現したのは、CBSスポーツのジョン・ヘイマン記者(50)だ。数多くのスクープで今月、スポーツ・イラストレイテッド誌から引き抜かれたばかりの敏腕記者は「未確認」としながらも、最高額は「5000万ドル(約39億円)以上」とつぶやいた。

 記録的な入札となれば資金の潤沢なヤンキースが連想されるが、ニューヨークの地元紙は白旗ムードだ。「入札はしたものの、控えめな額だった」とそろって報道。当初予想された最高額ラインの3000万ドル(約23億4000万円)前後を入札したが、「SKY HIGH」の最高額には遠く及ばなかったようだ、という論調だ。

 本命視されるレンジャーズは、入札前にジョン・ダニエルズGM(34)が「資金は所属選手との契約(延長)に充てたい」と発言していた。ただ、今季16勝を挙げ、今オフの大物FA投手だったC・J・ウィルソン投手(31)が同じア・リーグ西地区のライバル、エンゼルスに移籍。柱になる投手の補強が課題となっている。ダニエルズGMの発言は他球団の入札額を抑えるための“煙幕”という見方もあり、その場合は本命の地位は動かない。

 レ軍とともに、米メディアで“落札候補”として挙げられているのがブルージェイズだ。アレックス・アンソポウロスGM(34)は今季、ダルビッシュ視察のために来日。今オフから補強資金が大幅に増額されたが、大物FA選手に触手を伸ばしていない。ダルビッシュに全資金を投入するため、という見方もある。

 予想外の入札だったのがカブス。セオ・エプスタイン球団社長(37)は、5年前にレッドソックスのGMとして松坂を獲得。今オフの狙いはブルワーズからFAとなったプリンス・フィルダー内野手(27)と噂されており、総額1億ドル(約78億円)以上の契約を結べる資金は保持。ダルビッシュに方針転換したなら、思い切った手段に出ても不思議ではない。この他ナショナルズマリナーズが入札した可能性がある。

 日本ハムの回答期限は米東部時間20日午後5時(日本時間21日午前7時)。発表前に落札球団が判明してしまいそうなほど、米メディアの取材も過熱している。