呂比須「監督」はダメ!小倉会長がライセンス指摘、総監督起用を検討…G大阪

日本サッカー協会小倉純二会長(73)は15日、G大阪が次期監督に内定した元日本代表FW呂比須ワグナー氏(42)に関し、指導者ライセンスの問題により、認めない意向を示した。呂比須氏がブラジル・サンパウロ州で取得したライセンスが、Jの監督資格に当たるS級ライセンスには相当しないと指摘。G大阪では総監督やヘッドコーチの立場で指揮を執らせる案の検討に入った。

 “お上”の裁定は厳しかった。都内で取材に応じた小倉会長は、協会の外国人指導者資格審査で議論されていた呂比須氏のG大阪監督就任について言及。「基本的には難しいでしょう。呂比須は堂々と、S級をとるべき」と言い切った。

 小倉会長は「彼の持っているライセンスは、日本の(S級の1ランク下の)A級に相当するらしい。それでもブラジルのトップリーグで指揮していればよかったが、それもない」と、サンパウロ州1部のパウリスタなどで2年弱の監督経験しか持たないことを問題視。過去にもS級に相当する資格を持たない外国人監督を認めなかった例もあることから、断固たる姿勢を示した。

 同会長はかつて、呂比須氏が日本国籍を取得する際に尽力。「彼は日本語もうまいし、漢字も書ける。ぜひ、日本で監督をやってもらいたい」とエールも送った。だが、現役時代にブラジルから帰化してまで日本代表となり、98年フランスW杯出場に貢献した功績などを考慮しての特例は、認めない構えだ。

 G大阪は逆転の可能性を探り、協会サイドとの協議を継続中。しかし、最悪の場合、呂比須氏に総監督やヘッドコーチの立場で実質的な指揮を任せ、監督にはS級を持つ松波正信コーチ(37)を据える可能性が高い。10年間指揮した西野朗監督(56)が退任し、新たなスタートを切る“呂比須ガンバ”の誕生に、思わぬ難題が降りかかった。