渡辺監督 CS行っても進退微妙…球団は慰留方針も

パ・リーグ 西武2−2ロッテ(2011年10月18日 QVC

 西武・渡辺久信監督(46)の来季続投が微妙となった。17日、チームはロッテ戦で延長11回引き分け。クライマックスシリーズ(CS)出場を争う3位オリックスとは1ゲーム差のままで、今季は残り1試合となった。仮に18日の日本ハム戦(西武ドーム)に勝っても、オリックスが同日のソフトバンク戦(京セラドーム)に勝てば4位が確定。その場合、球団は全力で慰留する方針だが、今季限りで退団する可能性がある。

 CS争いで崖っ縁にいるチームとともに、渡辺監督の来季の進退も極めて微妙な情勢となった。今季は開幕から波に乗れず、前半戦には9連敗。一時は最下位に沈んだ。9月に入って2分けを挟んで10連勝をマーク。最大15あった借金を完済し、4位に浮上するなど驚異の追い上げを見せた。残りは1試合。CS出場の可能性は残されているが、2年契約の2年目を終える指揮官が来季西武のユニホームに身を包んでいるかは不透明だ。

 渡辺監督は就任1年目の08年には日本一に輝いたが、翌09年は4位。昨年は優勝マジック4からまさかの大失速で2位に終わった。自身は常々「契約年数とか考えずに、毎年1年勝負のつもりでやっている」と話しており、今季は巻き返しを誓って臨んだ1年だった。

 それでも、苦しい戦いの中で今季も手腕を発揮した。昨年のパ・リーグ最優秀救援投手賞に輝いたシコースキーが、右肘痛のためにシーズン途中で退団すると、6月からはルーキーの牧田を先発から抑えに配置転換。2年目の菊池は先発で4勝を挙げた。野手では3年目の浅村、ルーキー・秋山らを積極的にスタメンで起用し、チームの底上げにつなげた。

 10月12日のロッテ戦(西武ドーム)を観戦した後藤高志オーナー(62)は「人事の話はペナント中はしない。最後まで試合に集中してもらいたい」と来季の続投に関しては明言を避け、シーズン後に会談することを示唆していた。今後、球団側は全力で慰留する方針。しかし渡辺監督は周囲に「続けるのは難しいと思う」と漏らしており、仮にCSに進出しても残留要請を受諾するかは微妙な状況だ。