<男子W杯バレー>日本、最下位中国にはストレート勝ち

 バレーボールのワールドカップ(W杯)男子大会は第7日の28日、福岡市のマリンメッセ福岡などで6試合を行った。日本は最下位の中国に3−0でストレート勝ちした。勝ち点は8で順位は9位のまま。

 日本は、サーブレシーブの返球率が高く、安定した試合運び。センター陣の速攻が効果的に決まって第1、第2セットを連取し、第3セットも清水の強打などで押し切った。

 首位のポーランドは米国、2位のロシアはアルゼンチンをいずれもストレートで降した。前回覇者のブラジルはキューバにフルセットの末、敗れたものの3位のまま。

 ◇守備で粘り価値ある連勝

 今大会、日替わりオーダーを組んできた日本だが、徐々にチームの形が固まってきた。特に、対角をなす2人のサイドアタッカー。初勝利を収めたエジプト戦に続き、この日も石島と米山が先発出場し、価値ある2勝目をもたらした。

 どちらかと言えば守備的な布陣だ。「米山はレシーブに安定感がある。石島は前(ブロック)でも後ろ(レシーブ)でも粘りを発揮してくれる」と植田監督。平均身長で約10センチ高い中国を相手に、「ディフェンスでよく粘った」とたたえた。

 セッターへのパスが安定すれば、チームが目指す速い攻撃も機能する。中国ブロックのマークが得点源・清水にかたよるのを見て、山村、松本のセンター陣が速攻を決めた。「サーブレシーブが安定したのでクイックが使えた」と宇佐美。米山は「レシーブのために使われている。そこで崩れなければ勝てる」と言い切った。

 若手中心の中国がミスから自滅した面もある。それでも、「この連勝はチームにとってプラス」と植田監督。アジアのライバルに「日本侮りがたし」の印象を植え付けたならば、何よりの収穫だろう。【田内隆弘】