最低78億円!?ダル入札、絞られた5球団

【ニューヨーク12日(日本時間13日)】ポスティングシステム(入札制度)での米大リーグ移籍を目指す日本ハムダルビッシュ有投手(25)への入札が予想外の低調に終わる可能性が出てきた。米メディアは本命とみられたレンジャーズやブルージェイズ、そしてヤンキースが回避を検討と報道。総額1億ドル(約78億円)とみられる争奪戦に、資金力豊富な球団さえも撤退ムード。落札後の契約交渉の難航も予想されるため、入札球団はかなり絞られそうだ。

高すぎて手が出ない? ダルビッシュへの入札が、予想外の低調に終わる可能性が出てきた。レッドソックス松坂大輔投手(31)=当時西武=を落札した5年前と違い、米メディアの報道は消極的なものが目立つ。

 FOXスポーツ(電子版)は獲得を狙う球団としてレッドソックスヤンキースブルージェイズ、レンジャーズ、ナショナルズの5球団を挙げたが、まず、本命視されていたレンジャーズは回避の方向だ。大リーグ関係者の話として、今オフの補強予算が予想以下になったことを理由に挙げている。入札と契約を合わせて総額1億ドル(約78億円)といわれるダルビッシュ獲得には動かず、代わりにトレードを検討しているという。

 アレックス・アンソポウロスGM(32)が視察のために今季来日したブルージェイズも、地元メディアの報道ではトレードに傾いている。アスレチックスの左腕、ジオ・ゴンザレス投手(26)を狙っており、すでに交換相手の打診をしたようだ。

 補強資金が潤沢なヤンキースでさえ、地元紙上では撤退ムードだ。すでに先発の頭数はそろっている上、ブライアン・キャッシュマンGM(44)は総年俸抑制の方針。ダルビッシュと同い年の有望株へクター・ノエシ投手にチャンスを与える案もあるという。

 たとえ落札しても、契約交渉の難航が予想されていることも、各球団が入札に及び腰となっている要因だ。一流投手並みの年俸1500万ドル(約11億7000万円)を要求されたら、6年契約で総額9000万ドル(約70億円)。資金豊富な球団でさえ、おいそれとは出せない。5球団入札どころか、それを大幅に下回る可能性も十分あり得る状況だ。

 もちろん、撤退ムードを出しておいて入札する作戦もありうる。締め切りは米東部時間14日午後5時(日本時間15日午前7時)。どこが煙幕を張っていたのかも判明する。