ダルビッシュ、10種の変化球通用するか「いい球投げられる」と自信も

 会見の模様が全米で生中継されるなど注目を一身に浴びる中でも、その表情は自信と決意に満ちていた。「プレッシャーは特に感じない。不安はない」。メジャーリーガーとしての第一歩を刻んだ右腕の口からは、強気な言葉が終始並んだ。

 日本ハム時代は150キロを超える直球が魅力だったが、会見では「変化球は種類も多いし、いい球が投げられると思う」と自信を口にした。駆使する変化球は、スライダー、ツーシームなど実に10種類近くもあるとされる。打者の手元で微妙に変化するボールが要求される米大リーグでも、多彩な変化球の生かし方が生命線になる。

 一方で、「ボールの違いは何とか大丈夫だと思うが、球場が狭いのは不安」と正直な思いも口にした。本拠地のレンジャーズ・ボールパークは米大リーグでも打者有利の球場として有名。日本とは異なる固いマウンドなど、環境への対応は必然的に迫られるだろう。

 入札金、年俸合わせ約1億1千万ドル(85億円)の大金が動いた契約交渉の内容も、時間の経過とともに詳細が明らかになった。契約期間は6年だが、シーズンで最も活躍した投手に与えられるサイ・ヤング賞獲得など一定の条件を満たすことで5年目終了後に契約を解消できる条項がついた。ハードルは高いが、異例の契約内容も実力が認められている証拠である。

 「違う環境ですごい投手、すごい打者がいる中でできるのは楽しみ」。レンジャーズでも背番号11を背負うことになった右腕は、新天地でさらなる高みを目指していく。(浅野英介)