<4大陸フィギュア>チャンに敗れ高橋「刺激もらった」

◇4大陸フィギュア

 新旧世界王者のチャン、高橋の3度目の顔合わせは現王者が3連勝した。今回は過去最大の29.61点差。2年ぶりの優勝がかかる世界選手権(3月、フランス)に向けて高橋は「刺激をもらった」と決意を新たにした。

 酸素の薄い高地での演技に、息切れを懸念してペース配分を考えざるを得なくなり「動きが小さくなった」。豊かな表現力が持ち味の高橋よりも、コロラドスプリングズが練習拠点のチャンが伸びやかに滑り、演技点でも5点以上離された。

 前日のSPに続いて4回転ジャンプにも挑んだ。前日は転倒して回転不足となり、この日は両足の着氷で得点が伸びなかった。チャンは2日間で3回成功。高橋は「4回転は弱い部分」と認める。

 世界選手権では多くの選手が4回転ジャンプを跳んでくる。高橋は「焦ってしまいそうだけど、自分のペースでやっていきたい」と我慢。徐々に手応えが出てきた4回転ジャンプが今季成功しなくても「来季に生きてくる」ことを信じて練習する。【小坂大】

 ◇圧勝チャン「毎日100%」

 ○…圧勝したチャンは「練習してきたことを信じてやった」と会心の笑み。SPの4回転ジャンプはバランスを崩したものの、フリーは冒頭の4回転−3回転ジャンプと続く4回転も見事に決めた。技術点だけでなく、表現力を示す演技点でも3項目を9点台に乗せ、残り2項目も8点台後半と内容も圧倒的だった。コロラドスプリングズを練習拠点にする中国系カナダ人の21歳。明るく親しみやすい青年だが「いつも他の選手に迫られている気がする。だから毎日100%を尽くさなければならない」。妥協しない練習で勝ち続けている。