<4大陸フィギュア>浅田好感触「余裕あった」

◇4大陸フィギュア

 演技を終えた浅田の柔和な笑みが全てを物語っていた。現地入りして好調だったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑み、回転不足と判定されたものの「アクセル以外の部分は出来は良かった」。スピンとステップは全て最高難度と認定された。


優勝したロシア杯と全日本選手権で回避した大技への思い入れは強い。全日本を終えて「何回も何回も練習してきた。ようやく入れられるなという感じがした」。衣装は水色のスカート。従来は群青色のパンツスタイルだったが「パンツだとジャンプもスピンも動きにくい。トリプルアクセルのバージョンに変えた」と明かした。

 現地は標高約1800メートルにあるため気圧が低く、ジャンプは跳びやすい。練習でもトリプルアクセルが何度も決まり「不安はなかった」という浅田は踏み切りと同時に高々と舞った。勢い余って両足から降りたが「あれが跳べたらすごく満足できると思う。きょうの経験をフリーに生かしたい」。長い模索から好感触をつかんだ。

 2年ぶりの優勝を目指す世界選手権(3月、フランス)に弾みをつけた。酸素が薄く多くの選手にとって体力的に厳しい条件でも「自分もびっくりするぐらい余裕があった。フリーも大丈夫」。気持ちも前を向き、リンクに立ったときから表情はずっと明るかった。【小坂大】