<スイス>原発に稼働停止命令 福島第1と同型 行政裁判所
【ジュネーブ伊藤智永】スイス連邦行政裁判所は7日、福島第1原発と同型のミューレベルク原発の安全性に問題があるとする反原発団体などの訴えを認め、2013年6月までに稼働を停止するよう命じる判決を出した。原発運営会社のベルン州電力(BWK)は、判決を不服として連邦最高裁判所に上告するとみられる。
ミューレベルク原発は、首都ベルンの西約20キロに位置する。米ゼネラル・エレクトリック社製の沸騰水型軽水炉(BWR)で、福島第1原発と同じ1967年に着工され、72年の稼働開始から今年で40年になる。スイスは既存原発を寿命50年として順次停止していく方針を議会で決めており、同原発は22年に稼働を停止する予定だ。
ところが、福島原発事故後の昨年6月、地元メディアが、ミューレベルク原発の圧力容器内にある炉心シュラウドという高さ9メートルのステンレス製構造物に、上から下まで貫通するひび割れができていると報道。連邦核安全監督局は「ひび割れがあっても安全基準は満たされており、問題ない」と危険性を否定した。
これを、反原発団体などが「炉心シュラウドは燃料棒や制御棒を囲んでいる大事な構造物で、損傷によって燃料棒がずれるなどの危険がある」と批判。ひび割れが09年には見つかっていながら公表していなかったことへの不信感も加わって、行政裁判所に対し、連邦政府が09年に出した運転許可を無効にするよう求め提訴した。この日の判決で裁判所は、反原発団体の訴えをほぼ全面的に認めた。
スイスでは現在、5基の原発が稼働中。同国北部のベツナウ第1原発(69年始動、19年停止予定)は、2月末に英オールドベリー原発1号機が停止したため、世界で現役最古の原発となり、こちらも格納容器の外壁にひび割れなどが見つかっているという。
長友フル出場のインテル、2点差追い付きドロー
4日に行われたセリエA第26節、インテル対カターニアの一戦は、2−2のドローに終わった。インテルDF長友佑都はフル出場。インテルはリーグ戦での連敗が4でストップしたが、公式戦9試合で白星から遠ざかっている。
インテルは13分、フォルランがミドルシュートで相手ゴールを襲うと、その2分後にもミリートのクロスにフォルランがボレー。だが、これもGKカリソに阻まれる。すると19分、カターニアに先制を許す。中盤からのフィードで長友の裏を突いたゴメスが、ドリブルで長友もかわしてシュートを沈めた。
追い付きたいインテルだが、38分には逆にカターニアがリードを広げる。ベルヘッシオが長友の裏に走ったマルケーゼにスルーパスを送ると、マルケーゼは明らかなオフサイドだったもの、副審のフラッグは上がらず。マルケーゼが中に折り返したボールをイスコが押し込み、2点目となった。
後がないインテルは、後半の開始からファラオーニを下げてスナイデルを投入。右サイドバックとして先発していた長友は、左サイドバックへとポジションを移した。61分にはパロンボとカンビアッソに代え、ポーリとオビも起用する。
カウンターの脅威も受けながら、インテルが1点を返したのは、71分。スナイデルからのパスを受けたフォルランが、DFをかわして左足で強烈なシュートを放つと、ボールはカリソの手を弾いてネットを揺らした。
インテルはさらに79分、試合を振り出しに戻す。フォルランのアシストから、今度はミリートが強烈な右足シュートを叩き込んだ。85分にはピンチも迎えるが、GKジュリオ・セーザルが立ちはだかると、ロスタイムには勝ち越しの決定機。オビの折り返しにパッツィーニが反応するが、シュートはカリソに防がれ、逆転には至らなかった。
香川が決勝点、ドルトムントが首位を守る
ブンデスリーガ第21節のドルトムント対レヴァークーゼンは、日本代表MF香川真司の決勝点でドルトムントが1−0と勝利、首位を堅持した。
開始から前へと出て、ドルトムントがレヴァークーゼンを圧する。ボールを保持して前へとボールを送るが、明白なチャンスは生まれない。
徐々にレヴァークーゼンも落ち着きを取り戻し、ドルトムントの動きに対応するようになる。逆に30分にはペナルティーエリア内でドルトムント最終ラインの裏を取り、直後にはCKの流れからゴールに迫った。
最終ラインの手前を使われていたドルトムントだが、もう一度コンパクトさと運動量を取り戻し、再度の加速を図る。40分には右サイドからのクロスがゴール前に入り、相手DFのクリアミスがエリア内でグロスクロイツに直接渡るが、シュートはGKの正面を突いた。
だが前半終了間際、ドルトムントが均衡を破る。ハーフウェーライン付近で相手のパスミスを拾うと、すぐに攻撃に転じる。中盤からのパスがボックス手前へ向かった先、走り込んだ香川は相手DFの目前でボールを軽く弾いてコースを変える。足を止めずにこれを拾ってエリア内に侵入すると、ゴール右ですがってきたDFを切り返しでかわす。相手DFの足が軸足に掛かっていたが、倒れ込みながらも逆サイドのポストをなめるシュートを決めた。
後半開始から、フンメルスがドリブルでエリア内に持ち上がるなど、ドルトムントは前へと出続ける。65分には香川が大チャンスを演出する。右から流れてきたボールをボックス内で受けると、相手守備陣の注意も一手に引き受ける。だが、ここでシュートではなく冷静に左に顔を出してきたグロスクロイスにパス。グロスクロイツはあとは決めるだけだったが、狙ったGKの股下へのシュートは防がれてしまった。
足も止まったレヴァークーゼンに対し、ドルトムントは無理な攻めはしなかった。相手のペースダウンとともに徐々にリズムを落とし、ドルトムントは無難な試合運びを見せる。89分には3人目の交代で香川をベンチに下げ、あとは試合終了の笛を聞いた。
ドルトムントを追うバイエルン・ミュンヘンは、カイザスラウテルンに2−0で勝利した。開始6分にM・ゴメスが決め、30分にはミュラーが追加点を挙げた。その後は得点は生まれず、バイエルンが勝ち点3を重ねた。
シュトゥット岡崎が今季5ゴール目…酒井は先発でブンデスデビュー
ブンデスリーガ第21節が11日に行われ、日本代表FW岡崎慎司とDF酒井高徳が所属するシュトゥットガルトはホームでヘルタ・ベルリンと対戦し、5−0で勝利を収めた。
今冬に移籍した酒井が左サイドバックで、岡崎が左サイドハーフで先発出場した試合は、シュトゥットガルトの一方的なペースとなる。24分、FKからヴェダド・イビシェヴィッチが先制ゴールを挙げると、28分にはカウンターからマルティン・ハルニクがゴール。さらに32分には、右サイドからのクロスを岡崎が頭で合わせて3点目を奪う。
その後も攻撃の手を緩めないシュトゥットガルトは、41分にもハルニクが追加点。後半に入っても相手のオウンゴールで得点を重ね、今シーズン初となる5得点で大勝した。
先発出場でブンデスデビューを果たした酒井は、フル出場でチームの大勝に貢献。岡崎も3試合ぶりとなる今シーズン5点目をマークしフル出場。酒井のブンデスデビューに華を添えている。