余裕のオレ流!落合監督、10分で消えた

 プロ野球の「コナミ日本シリーズ2011」は舞台をナゴヤドームに移し、15日に中日−ソフトバンク第3戦が行われる。14日は移動日で、両軍が同球場で練習。敵地で連勝した中日・落合博満監督(57)は、荒木雅博内野手(34)にアドバイスを送ると約10分で姿を消した。その落合監督から第2戦にクレームをつけられたソフトバンク内川聖一内野手(29)は、「同じバットを使います」と宣言した。

移動日練習が始まって1時間以上が経過した頃、ようやく落合監督がグラウンドに登場。一度は“定位置”の整備車の座席に座ったが、すぐに打撃ケージで打ち込む荒木に近寄った。

 そのまま離れず約10分あまり。身ぶり手ぶりの指導を続け、荒木が打撃練習を終えると、自身もサッサとベンチ裏に姿を消してしまった。

 「…」

 問いかけに無言で去った指揮官。代わりに荒木が答えてくれたが…。

 「言っても、みなさんには分からないと思いますよ」

 どこかで聞いたような話し方だなぁ、と思っていたら、荒木自身が思い出させてくれた。

 「いかんいかん、8年間一緒にやってきたから、僕までこんな言い方になってしまった」

 そうそう、まさにオレ流のしゃべり方。8年間、落合監督の指導を受け続けたまな弟子は、高度な野球理論だけでなく、その口調までしっかり受け継いでいた。

 「分かりやすく言うなら、前で打て、体から手を離せってことです」

 確かにイメージしづらい。荒木だからこそ分かる世界かもしれない。

 落合監督にすれば、荒木さえ本調子になってくれれば、と感じているのだろう。第1戦はノーヒットだったが、第2戦の4、5打席目で2安打。復活気配はある。核弾頭が一気に爆発すれば、2連勝で迎えた本拠地決戦が、ますます戦いやすくなるのは間違いない。

 オレ流が手塩にかけて育て上げた、落合野球の代名詞“アライバ”。一気の王手を、口まねができるほど? 落合イズムをたたき込んだまな弟子のバットに託す。