阪神・和田監督“理想”V方程式は「七回・球児」

 阪神和田豊監督(49)が14日、MBSの情報番組「せやねん!」に生出演し、あくまで理想として、藤川球児投手(31)のセットアッパーでの起用というスペシャルプランを披露した。現実的な構想は抑えだが、七回の重要性も十分に承知している。状況次第だが、どこかで「七回の球児」を見られるかもしれない。

理想と現実の違いは承知している。基本は守護神・藤川で変わらない。ただ、セットアッパーに回った時の存在感も計り知れない。和田監督の理想であり、スペシャルプランとも言えるのが「七回の球児」だ。生放送の番組内で、胸に秘めていた理想論を明かした。

 「(セットアッパーでの起用は)球児以上の抑えがいれば。ドラゴンズの七回に浅尾が出たら(対戦相手が)シュン、となるのがある。岡田監督の時は『JFK』で七回に投げていた。ただ、チーム構成上は、抑えは球児が前提ですから」

 理想であっても、確かな理由は存在する。七回を抑えることの重要性を知るからこそだ。藤川が七回を投げてチームを優勝に導いた05年の記憶と、中日・浅尾を相手にして感じる思いが、強烈に焼き付いている。

 「七回で勢いを止めたい、流れを変えるという意味では2005年の優勝した時の球児のイメージがすごくあるし、浅尾が七回に出てくるというだけで、(攻撃の)やり方も変わってしまうぐらい影響力がある」

 現時点で配置転換の考えはなく「(番組内で)そういう話が出たからだけど、やっぱり一番後ろに球児がいて、七回八回をどうするかというところに入っていくと思う」と話す。ただ、さまざまな理想を描けるのも今の時期だからこそ。そこには、久保のリリーフでの起用の考えもある。

 「可能性は否定しない。久保の一番良い状態というか、自分がバッティングコーチをしていてロッテ時代の中継ぎをやっていた時の久保の球のイメージがある」と和田監督。球の力やクイックの速さなど、リリーフの適性は十分。実際に配置転換を行うなら代わりの先発が必要だが、あらゆる可能性を排除せずに臨むのが今回のキャンプだ。

 「固定観念は一回捨てて、真っさらな状態で選手を見て、『こういう選手はここいけるんじゃないか』というのを出していければ。打順も、ピッチャーの並びにしても、もう一回洗い直して」

 理想を抱き、どこかに独自の考えを落とし込む。それが久保のリリーフ起用なのか、長いシーズンのどこかで見られるかもしれない「七回の球児」なのか。興味の尽きない何らかの変化が、和田監督の「色」となる。